マンションを売却するなら知っておきたい減価償却費

マンション売却後に譲渡取得に対して譲渡取得税が課税されることはこちらのページで解説していますが、この譲渡取得費の計算に必要となる取得費については、概算法と実額法の2つがあり、このうちの大きいほうの金額が適用されます。

概算法
譲渡収入金額 × 5%
実額法
マンション購入代金 + 仲介手数料 - 建物の減価償却費

どちらの金額が大きくなるのか、念のため計算してみる必要があります。
実額法での計算の場合には、減価償却費の計算が必要になってきます。

中古マンションの減価償却の対象は建物部分のみ

マンションの建物部分は新築から年月を経過するほど、経年によって劣化し傷みがでてきます。その分価値が下がってしまうことを計算するのが減価償却です。

土地部分に関しては、年月が経っても劣化したり傷んだりすることもなく、その価値にも変わりはありませんから、減価償却の対象外となっているので、まずマンションを建物と土地とにわけて考えます。

建物部分 ⇒ 減価償却の対象

土地部分 ⇒ 減価償却の対象外

それぞれどのくらいの割合になるのかは、売買契約書や譲渡対価証明書を確認するか、不動産会社に確認することで知ることができます。

ここでは購入金額3,000万円、築年数10年、鉄筋コンクリート(RC造)。
建物部分が2,000万円、土地部分が1,000万円。
売主が居住用として利用していたマンションを例としてみましょう。
実際にはこんなにザックリした金額になることはありませんが、まあ一例として。

減価償却費の計算方法

建物部分の購入金額がわかったら減価償却費を計算します。 減価償却の計算方法には、定額法と定率法があります。 特に届出を行わない場合には定額法で計算します。マンション売却の場合には定額法での計算が一般的です。

減価償却の計算式
建物の購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

さて償却率というのが出てきましたが、
この償却率は建物の構造ごとに定められています。

賃貸目的のマンションなど事業用の物件の場合と、ご自身が居住用として利用するマイホームやセカンドハウスなど非事業用の物件の場合では、耐用年数と償却率に違いがあります。

法定耐用年数表(定額法)

非事業用 事業用
耐用年数 償却率 耐用年数 償却率
木造 33年 0.031 22年 0.046
軽量鉄骨 40年 0.025 27年 0.038
鉄筋コンクリート(RC造) 70年 0.015 47年 0.022

この償却率を踏まえて計算式にあてはめてみると

2,000万円 × 0.9 × 0.015 × 10年 = 270万円

減価償却費は270万円ということになります。

実額法での取得費の計算

ここでやっとページ最初の実額法での取得費の計算にもどります。
仲介手数料の計算は、購入代金3,000万円なので、

  • 売買価格 × 3% + 6万円

の計算式が適用され

3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円

仲介手数料は最大で96万円となるので

購入代金3,000万円 + 仲介手数料96万円 ー 減価償却費270万円

となり実額法での取得費は2,826万円となります。

購入後にリフォームを行ったり、設備などの改良に費用がかかった場合には、これらの金額も取得費に加える必要があります。仮にリフォームその他に270万円かかった場合なら、 減価償却費の分を相殺することになります。

実際の売却金額が購入金額より低くても、取得費が意外に大きな金額になってしまうケースも考えられるので注意が必要です。

取得費は実額法での計算のほうが高額になるケースがほとんど

さて今回の例では、概算法での取得費が2,826万円よりも大きくなるには、
5億6,520万円以上で売れた場合となります。

これらを踏まえて考えると、よほど古くに購入した物件や、極端に市場価値が上昇した物件でない限り、一般的なマンション売却の場合なら実額法での取得費計算を用いるケースが多いようです。

取得費の計算を踏まえた上での譲渡所得の計算については、こちらのページを参考にしてみてください。

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このように取得費はマンション購入金額と仲介手数料、さらにはリフォーム代金などから、 減価償却費をマイナスした金額です。しかし譲渡所得は3,000万円までが特別控除の特例になっていますから、やはりできるだけ高く売ってくれる不動産業者を探すことが、マンション売却では最も重要です。

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