まずは譲渡対価証明書で建物部分と土地部分を確認
中古マンションの減価償却の対象は建物部分のみ

マンションの建物部分は新築から年月を経過するほど、
経年によって劣化し傷みがでてきます。
その分下がってしまった価値を計算するのが減価償却です。

土地部分に関しては、年月が経っても劣化したり傷んだりすることもなく、その価値にも変わりはありませんから、減価償却の対象外となっているので、まずマンションを建物と土地とにわけて考えます。

建物部分 ⇒ 減価償却の対象

土地部分 ⇒ 減価償却の対象外

売買契約書・譲渡対価証明書がない、紛失してしまった場合

建物部分の価格と、土地部分の価格については、購入時に作成される売買契約書かもしくは、譲渡対価証明書に明記されていますので、まずはこれを確認しましょう。

譲渡対価証明書については、売買契約を結んだだけで作成してくれるケースは少なく、仲介業者に依頼して作成してもらう場合がほとんどです。

もしも譲渡対価証明書がない、もしくは紛失してしまったという場合には不動産業者に改めて作成を依頼することになります。

売買契約書についても、仲介した不動産業者では最低でも5年は保管しなければならないことが法律で義務づけられているので、不動産業者に依頼して再発行してもらうことが可能です。

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減価償却の計算マンション一例

ここでは購入金額3,000万円、築年数10年、鉄筋コンクリート(RC造)。
建物部分が2,000万円、土地部分が1,000万円。
売主が居住用として利用していたマンションを例としてみましょう。

実際にはこんなにザックリした金額になることはありませんが、まあ一例として。

減価償却費を計算するマンション物件 一例

  • 購入金額3,000万円
  • 築年数10年
  • 鉄筋コンクリート(RC造)
  • 建物部分2,000万円
  • 土地部分1,000万円

減価償却費の計算方法

減価償却の計算方法には、定額法と定率法がありますが、
特に届出を行わない場合には定額法で計算します。

マンション売却の場合には定額法での計算が一般的です。

減価償却の計算式(定額法)
建物の購入代金 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

居住用のマンションなら非業務用建物の償却率を適用する

さてここで償却率というのが出てきましたが、
この償却率については建物の構造ごとに定められています。

賃貸目的のマンションなど事業用の物件の場合と、
ご自身が居住用として利用するマイホームやセカンドハウスなど非業務用の物件の場合では、耐用年数と償却率に違いがあります。

法定耐用年数表(定額法)

非業務用 事業用
耐用年数 償却率 耐用年数 償却率
木造 33年 0.031 22年 0.046
軽量鉄骨 40年 0.025 27年 0.038
鉄筋コンクリート(RC造) 70年 0.015 47年 0.022

この償却率を踏まえて計算式にあてはめてみると

2,000万円 × 0.9 × 0.015 × 10年 = 270万円

ということで、今回の例としているマンションの場合は、
減価償却費は270万円ということになります。

減価償却費の計算は譲渡所得費の計算時に必要となってくる

譲渡所得費の計算をする際に取得費がありますが、
この取得費の計算の際に、減価償却費を差し引く必要があります。

譲渡所得費はマンション売却後に必要となる確定申告、
つまり税金の支払いのために必要となります。

譲渡所得費や税金、確定申告についてはこちらのページでくわしく解説しています。

取得費の計算方法は概算法(概算取得費)と実額法の2つ

譲渡所得費の計算に必要となる取得費については、概算法と実額法の2つがあり、このうちの大きいほうの金額が適用されます。

概算法(概算取得費)
譲渡収入金額 × 5%
実額法
マンション購入代金 + 仲介手数料 - 建物の減価償却費

どちらの金額が大きくなるのか、念のため計算してみる必要があります。
そしてこの実額法での計算の際に、減価償却費が必要になってきます。

実額法での取得費の計算

では今回の例の場合の実額法での取得費の計算をしてみましょう。

まず購入代金から仲介手数料を算出します。
仲介手数料の計算は、購入代金3,000万円なので、

  • 売買価格 × 3% + 6万円

の計算式が適用され

3,000万円 × 3% + 6万円 = 96万円

仲介手数料は最大で96万円となるので

購入代金3,000万円 + 仲介手数料96万円 ー 減価償却費270万円

となり実額法での取得費は2,826万円となります。

購入後にリフォームを行ったり、設備などの改良に費用がかかった場合には、これらの金額も取得費に加える必要があります。仮にリフォームその他に270万円かかった場合なら、 減価償却費の分を相殺することになります。

実際の売却金額が購入金額より低くても、取得費が意外に大きな金額になってしまうケースも考えられるので注意が必要です。

取得費は実額法での計算のほうが高額になるケースがほとんど

さて今回の例では、実額法で算出された取得費は2,826万円となりました。

概算法での取得費が2,826万円よりも大きくなるには、
5億6,520万円以上で売れた場合となります。

3,000万円で購入したマンションがこのような高額で売却できることはまずあり得ませんから、実額法で算出した取得費が譲渡所得費の計算に適用されるわけです。

これらを踏まえて考えると、よほど古くに購入した物件や、極端に市場価値が上昇した物件でない限り、一般的なマンション売却の場合なら実額法での取得費計算を用いるケースが多いといっていいでしょう。

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このように取得費はマンション購入金額と仲介手数料、さらにはリフォーム代金などから、 減価償却費をマイナスした金額です。

しかし譲渡所得は3,000万円までが特別控除の特例になっていますから、やはりできるだけ高く売ってくれる不動産業者を探すことが、マンション売却では最も重要です。

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